ペーパーレス化で業務負荷を大幅削減、さらにデータ活用で「創務」を実現する

クラウド型人事・労務システムの「SmartHR」は、雇用契約ごとの入社手続き、給与明細や年末調整など、紙ベースの煩雑な作業を一気にペーパーレス化し、業務効率を飛躍的に向上させます。コロナ禍でも、押印のために出社を余儀なくされていたバックオフィス部門のリモートワークを後押しするだけでなく、蓄積されたデータを活用し、戦略的な施策のための判断材料として、業務の実態を「見える化」できる点も大きなメリットです。

デザイン性の高いUIによる入力の容易さ

株式会社SmartHR
マーケティンググループ
桑野絵維子氏

バックオフィス部門は、企業の経営戦略に関わる重要な役割を担う一方で、日常業務の煩雑さが大きな課題の1つでしょう。特に人事・労務関連の“紙とハンコ”が求められる業務では、担当者にかかる負荷は並大抵ではありません。

例えば、入社手続きなどは、雇用契約や社会保険手続きなどを入社予定者と郵送などで何度もやり取りするため、非常に手間も時間もかかります。ですが「SmartHR」を導入すると、一気にペーパーレス化が実現し、バックオフィス部門の手間と時間が大幅に削減されます。

同社の導入事例によれば、ある企業では年に数回、数千枚の雇用契約書の更新作業に約45日かかっていたところを10日間で約95%完了できたり、3400名の年末調整と給与明細を電子化することで、短期契約で約1ヶ月必要だった人員が不要になったという成果も出ています。

なぜ、これほどまでに削減効果を出せるのでしょうか。SmartHRの桑野絵維子さんは、「理由の1つは、徹底的にこだわったUI(ユーザーインターフェース)の使いやすさにあるでしょう」と説明します。

SmartHRは、「収集・蓄積・活用」の3つの機能に分かれていて、それらが有機的に連携するクラウド人事労務ソフトです。起点となる「収集」の場面では、エンドユーザーである入社内定者や従業員に、自ら情報を入力してもらうことになります。

「従業員の方に、どれだけ正しい情報を入力してもらえるかがファーストステップになるため、UIの使いやすさはとても重要です。これまで人事や労務のシステムというと“業務システム”とみなされ、デザイン性はあまり重視されていませんでした。SmartHRは徹底してデザインにもこだわり、使ってみたくなるUIを追求しています」(桑野さん)。

もちろん入力は、PCでもスマートフォンでも可能で、入力が簡単に進められるよう、人事や労務の専門的な文言でもヘルプページの表示や補足説明が表示されるよう設定できるなど、エンドユーザーの使いやすさや、管理部門への質問が軽減する工夫もなされています。

本人確認もスマートフォンのカメラで免許証などの写真を撮影し、オンラインでアップロード。押印や郵送が不要になるほか、健康保険、厚生年金保険、被保険者資格取得届といった行政機関への書類も自動生成し、足を運ぶことなく電子申請を可能にします。

レポート機能で溜まったデータを分析し、組織強化に役立てる

従業員が入力したデータは、直接、社員データベースとして蓄積されます。一元管理されるため、表計算ソフトで管理をしていた場合のように、営業部門と人事部門でデータの中身が変わってしまっている、といった問題も発生しなくなります。また、紙ベースの情報を入力し直す必要もないため、転記ミスもなくなり確認時間の削減も期待できます。

また、SmartHR導入の魅力は、単なる業務効率化に留まらない点です。3つの機能の最後に当たる「活用」では、収集した蓄積データを簡便に有効利用できます。分析レポート機能として、最新情報を基にグラフィカルな図表の入ったレポートを、様々な切り口で作成可能です。

例えば、グループの人員数推移や構成割合、入退社数などを分析すれば、必要な人員をタイムリーに把握し、適切な採用と人員配置の意思決定に役立てられるでしょう。また、働き方改革の推進では、平均残業時間や年間有給取得率などのデータを分析して、KPI(重要業績評価指標)設定やモニタリングを実施。具体的な結果を検証することで、データに基づいた改善施策を講じていきます。

さらに、お客様から高い評価を受けている機能に「サーベイ」の仕組みもあります。これは、SmartHRに登録された従業員に対して、簡単にアンケートが実施できる機能です。組織状態の可視化や施策の効果測定はもちろん、エンゲージメントの向上も期待でできます。

企業理念の浸透状況、研修やイベントの効果測定、オフィス移転やテレワーク導入について従業員の意見を可視化し、反映していくことが簡単にできるのです。加えて、職務状況や自己成長度合い、上司や同僚との関係値について確認できれば、従業員エンゲージメント調査としても活用できます。

これからの時代、人材不足が進む中で、社員のエンゲージメントを向上させることは企業成長に欠かせないミッションです。バックオフィス部門が本来対応すべき創造性が高く、価値ある業務に注力することを、データ面からもサポートしてくれるわけです。

頻繁なアップデートと充実のカスタマーサポート

「とは言え、システムを導入すれば、すぐさまDX(デジタルトランスフォーメーション)が実践できるわけではありません」と、桑野さんは警鐘を鳴らします。あくまでも自社の現状や課題を把握することが、最優先だといいます。

同社では、サポート活動にも力を入れ、カスタマーサクセス部門がお客様の課題把握から、システム導入、定着化などをサポートしています。「あるお客様のケースでは、従業員の平均年齢がかなり高く、中にはスマートフォンを持っていない方もいるなかで、どうやってSmartHRの利用を促すのがベストか担当者の方と一つひとつ段階を踏みながら、導入に踏み切りました」(桑野さん)。

その一例を挙げると、給与明細を電子化するにしても、ログインのハードルを少しでも下げるよう、QRコードから簡単にアクセスできるようにするなど、工夫を凝らしたといいます。

お客様に寄り添い、その声を聞くという点では、製品への頻繁なアップデートを実現しているのもSmartHRの強みの1つです。ほぼ毎週といってよいほどアップデートを行い、大掛かりな機能追加となれば、ユーザーの反応を見ながらベストなサービスへとブラッシュアップします。

 

同社の念頭にあるのは、あくまでもお客様が製品によって成功すること。最近では、ユーザー会の開催にも力を入れているそうです。SmartHRは2名から数千人規模と、企業規模や業種を問わず多くの企業で導入されています。

「特に中小規模の企業だと、バックオフィス部門の担当者は孤独になりがちです。自社の成功例や失敗例、色々な悩みなど情報交換ができる場があったら…という思いで立ち上げました。参加した皆さんには好評をいただいておりますので、これからも力を入れていきたいと思います」と桑野さんは力を込めました。

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